■積立金不足でも財政出動が可能
雇用保険法66条では、まず1項1号で定める日雇労働者給付金以外の求職者給付の国庫負担額について複線化を図る。毎会計年度の2年度前の財政と受給資格者数の状況を勘案し、支給に支障が生じるおそれがある場合は求職者給付に要する費用の「四分の一」、それ以外の場合は「四十分の一」と規定した。
支障が生じるとの具体的な判断基準は、雇用保険法施行令に落とし込んだ。財政状況は「弾力倍率が一未満」、受給資格者数の状況は「各月を平均した数が70万人以上」と明記。後述する67条の2に基づいて繰入を行った場合には、当該繰入額を加えた上で弾力倍率を計算すると明示した。
2号の日雇労働者給付金の国庫負担額についても同様に、1号の状況に応じて支給に支障が生じる場合は「三分の一」、それ以外は「三十分の一」と複線化している。
求職者給付の支給額の四分の三が一般保険料の徴収額を超えた場合に、超過額を求職者給付の総額の三分の一の額に達するまで負担する、いわゆる高率国庫負担を規定する66条2項では、国庫負担の額が四十分の一の会計年度に適用しない旨を追記。続く66条3項は2項の一般保険料の額に関して、雇用保険料が労働保険徴収法で定める弾力条項で変更された場合には変更された率で計算する旨のほか、必要な読み替え規定を置いた。
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