裁量労働制の次期改正の論点

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■賃金の世間相場の開示に賛同 長時間労働に適用除外ルートを

裁量労働制の次期改正に向けて、新たな方策の形がみえてきた。

2月28日に開催したこれからの労働時間制度に関する検討会では、「労働時間」「健康・福祉確保措置」「処遇・評価」について議論。特に制度適用労働者の処遇の適正化に向けて、適用労働者の賃金の世間相場を開示するなど斬新なアイデアが飛び出した。

裁量労働制は、業務の遂行方法や時間配分の決定などを大幅に労働者の裁量に委ねる代わりに、労使であらかじめ定めた時間を労働したものとみなせる。他方で、処遇に関しては告示で、労使委員会での「企画業務型」の決議に先立って、使用者に対して評価制度・賃金制度の説明を求めるにとどまっており、「専門業務型」に至っては特段の規定すらない。

実態調査では、みなし労働時間が実労働時間よりも1日平均で1時間22分短く設定されていることや、特別手当を制度化していない事業場が「専門型」で48.5%、「企画型」で35.8%あることを把握。また年収が低い適用労働者ほど、制度適用の満足度が低いことも明らかになった。検討会はこれらの実態を問題視し、対策を打つことで認識が一致していた。

裁量労働制適用労働者の1日の平均実労働時間数と平均みなし労働時間数(検討会での厚生労働省資料より)

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