男性育休 職場・上司への支援がカギ セイコーエプソン㈱が「取得率100%」目標

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男性育休の周知・意向確認では必ず上司と面談。パートナーの働き方など一人ひとり異なる事情を踏まえたコミュニケーションを重視している(写真提供:セイコーエプソン)

セイコーエプソン(長野県諏訪市、小川恭範代表)は4月施行の改正育児介護休業法に合わせ、「男性育児休職取得率100%」の目標を掲げた。現状30%の社内取得実績(2020年度、同社調べ)を大幅に引き上げるために重視するのは、「職場のマネジメント」だという。自由で風通しの良い組織風土や、柔軟な発想によるモノづくりを促進する育休取得支援の具体的な取り組みについて、ダイバーシティ推進プロジェクトの宮下真美部長と西真冬(まなと)さんに聞いた。

■部署横断で担当者公募 「品質向上に貢献したい」

厚生労働省の調査によれば、20年度の男性育休取得率は12.65%。近年上昇しているとはいえ、女性の8割強とは大きな差があり、まず取得率アップが大きな課題だ。

同社は今回の目標設定に先立ち、男性育休促進の担当者を社内公募した。その面接にあたった宮下部長は、応募した男性社員から「育休のことを言い出しづらい」「周りに取った人がいないし上司に言いにくい」という声を聞き、身近な職場から変えていく必要性を感じたという。

「いくら会社が(育休を取るべきと)言っても、実際に職場の後押しがなければ取りにくい。『よし、休んで育児して来いよ』と送り出してもらわないと、気持ちよく休めません。だから職場全体の風土づくりの支援を企画しました」(宮下部長)

その社内公募に応募して担当者となった西さんは、応募の理由をこう話す。

ダイバーシティ推進プロジェクトの宮下真美部長(左)と西真冬さん

「もともとプリンタの設計を担当していました。業務は多忙で、自分の周りでも育休を取る男性社員は少なかった。男性育休は女性活躍のためにも大事ですが、何より男性社員の幸福度が上がるし、仕事のモチベーションや視野の広がりに必ずつながってくる。エプソンのモノづくり全体の品質向上に、陰ながら貢献できるのではと応募しました」

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