脳科学と心理学、互いに似て非なるものである。前者は「脳」の働きにより引き起こされる現象を、科学的・物質的に解き明かす学問であり、後者は人の「心と行動」を科学的に解明しようとする、実験的・統計学的な学問である。
心理学的アプローチで世に広まった「承認欲求」や、正義を執行する快楽に飢えた正義の味方たちの「正義中毒」などを脳科学の領域から解説する。
自身の「異質さ」に苦しみ、幼少期からの体験を包み隠すことなく語るなど、本書は著者の本音であふれている。出版業界に物申すだけでは事足らず、あえて読みづらく、まわりくどく、わかりにくく書いたと吐露する。闇のなせる業か。