■【連載】中小企業のための 役割行動主義人事による 組織風土改革プロジェクト成功の秘訣~社員自ら創る行動基準が会社を変える~ 第8回特別編 アクテンシー改革の現場を追う(堀之内克彦:㈱エムケーパーソナルセンター代表取締役、組織風土改革ナビゲーター、社会保険労務士、中小企業診断士 )
自動車販売のホンダカーズ愛知南(愛知県蒲郡市、従業員数69人)は2011年、若手社員が中心となり会社の行動基準を策定する組織風土改革(アクテンシー)プロジェクトを実施した。ビジョンの共有と社員の自主性を伸ばす評価制度を基に、その後業績は向上。社員満足度(ES)と顧客満足度(CS)の双方が評価され、近年の全国販売店ランキングでも有数の成績を上げている。プロジェクト改革とその後の組織運営のポイントについて、山本昌宏社長に聞く。(文責・編集部)
みんなで考える人事制度 2年に及んだ改革
プロジェクト発足当時の2011年、改革に取組んだ背景を山本社長はこう振り返る。
「それまで他社を参考に就業規則や賃金規定をつくっていましたが、スタッフ一人ひとりの給料が本当に正しいのか、頑張っている人が報われる仕組みになっているかは自信がなかった。うちの会社に合ったオリジナルの人事制度をつくりたいという思いはずっとありました。特にトップダウンではなく、プロジェクト形式で社員みんなで考え、それが会社の目標となるということに非常に魅力を感じました」
当時の従業員数は約30人。改革を担った20~30代を中心とした若手のプロジェクトメンバー9人は、現在店長や工場長など幹部・管理職となっている社員も多い。2倍以上に増えた従業員を支えるリーダーとしての役割も果たしている。
改革当時の社内記録やメンバーの手記などに、プロジェクトの経過が克明に記録されている。2010年8月から準備期間として約4カ月をかけてアンケートによる組織・人材診断や社員説明会、メンバー選出などを実施。その後1年強をかけてプロジェクトを進め、その後の管理者教育などを含めると改革期間は合せて2年に及んだ。
■「落ち込みはしたが…」
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。