■労務の受領を拒否できていない 小カードで細かく指定しているが
JR西日本岡山支社の乗務員が待機すべきホームを間違え、作業の遅れが生じたとJRが賃金を控除。厳格な時間管理を指定した上での間違いであることから、労務の受領を予め拒絶していたと会社は主張しましたが、判決は、誤りは生じるもので、指揮命令に服している時間として賃金は発生するとしました。
■判決のポイント
会社は乗務員に対して運行ダイヤとともに、小カードで業務を指定。当該乗務員にも交付されています。
乗務員は乗務点呼を終え、乗継ぎ作業を行なうホームに向かいましたが、ホームを勘違いし2番線ではなく5番線で待機。自身が乗継する電車が2番線に向かっているのを見て、ホームを間違えていたことに気付き、2番線に向かいましたが、作業開始が2分遅れました。会社はこの時間の賃金を控除しました。
労基署は賃金控除につき労基法24条違反として是正勧告を行ないましたが、会社は1分のみ賃金を清算したものの、残りの1分については払いませんでした。
会社は、乗務員の指定に反する労務の受領はこれまでも予め拒絶していると主張しました。しかし、判決は、過失を未然に防ぐことは困難であり、また、会社も明示的に受領拒絶はしていないと指摘。賃金は「指揮命令に服して従事した労務の対価として支払われるべきものであり、被告において乗務員の過失による誤った労務やその修正のための労務を受領していないなどとみるのは相当ではない」としています。
■判決の要旨 業務の実現に向けた行動で 会社に有益性を有するので
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