小説を書く行為は一つの企てであり、そこには企みが不可欠である。
小説は「ウソ」という部品の組み合わせで、現実を越える「マコト」を立ち上げるからだと主張する著者は、編集者として過去に多数の著名作家を担当、現在はオンラインの小説講座を受け持つ。
文学賞を足掛かりに、文壇デビューを目指すアマチュア作家を対象とした公募新人賞は数多く存在するが、五つの文学新人賞を立ち上げた著者からの新たな手引書となるか。
小説に対する幅広い識見と多面的な分析から、従来型の小説指南書や起承転結の「承」への疑義、一人称視点からの脱却など、創作への「方法論」を体系化しジャンルを超えて解説する。