懲戒処分を理由の再雇用拒否は ヤマサン食品工業事件(令和4・7・20富山地裁判決) 

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■けん責処分では解除できない 再雇用しないことに合理性がない

懲戒処分を理由に再雇用契約を解除した本件では、契約解除の相当性と合理性が問われました。大量の除菌水を持ち帰ったことによるけん責処分に処された労働者の行為はそれほど悪質ではなく、人事評価の結果は再雇用を拒否するほど低い評価でもないとした上で、再雇用拒否に合理性がないと判断されています。

■判決のポイント

定年後の継続雇用の拒否は「心身の故障のため業務に耐えられないと認められることや、勤務状況が著しく不良な場合に限る」とした上で、本件の有効性について検討しました。

原告は定年翌日を始期とする雇用契約を結んだにもかかわらず、けん責処分を受けたことを理由に雇用契約を解除されました。そこで原告は解除は権利の濫用である、と主張して雇用契約上の権利を有する地位にあること、また、それに基づく賃金支払いと不法行為に基づく損害賠償を求めました。

コロナ禍の自宅待機命令に反して外出に及んだことや、その際80リットルの除菌水を持ち帰った行為は、「職場の秩序を乱したとか情状が悪質であるなどの就業規則に定める解雇事由に相当するほどの事情であるとはいえない」と指摘しています。

懲戒処分歴を理由とする再雇用拒否が認められる場合がありますが、本件は、大量の除菌水を持ち帰ったことについて反省を述べ、始末書も提出。会社もけん責処分にとどめているので職場秩序を乱したとか、悪質であるとはいえない、と述べています。

■判決の要旨 解雇事由ほど悪質ではない けん責処分にとどまるので

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