前川喜平氏を市民推す NHKの次期会長候補

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NHKの前田晃伸会長の後任に前川喜平・元文部科学省事務次官を推す声が視聴者らから上がっている。来年1月24日に任期が満了(1期3年)する前田会長は、「今期限り」と表明しており、元NHK経営委員の小林緑・国立音楽大学名誉教授ら3人が共同代表を務める市民団体「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」が11月1日、ネットを中心にした賛同署名活動を始めた。ネット署名は同月14日現在、約1万7600人分が集まっている。(臺宏士・ライター)

■「完全な自由保障」

「憲法と放送法に則って市民とともにあるNHK。不偏不党で、真実のみを重視するNHKの在り方を追求したい。そのためには番組の編集、報道は完全な自由が保障されなければいけない」

11月4日、東京・永田町の衆議院第二議員会館で記者会見した前川氏は、推薦候補を引き受けた意気込みをそう語った。

前川氏は、今年7月に死去した安倍晋三氏が首相だった2017年に政治問題化した「加計学園」の獣医学部新設問題をめぐり、朝日新聞が報じた「総理の意向」などとする文科省文書の存在を証言。菅義偉官房長官(当時)は、「怪文書」と批判したが、その後、文科省から見つかっている。

「求める会」は「政権からの不当な圧力に屈せず公僕としての職責を果たす。これは放送法にうたわれた公平公正や、真実を追求し健全な民主主義のために資するジャーナリストの精神と深く重なる」と推薦の理由を上げた。

放送法の規定でNHK会長は、経営委員会(森下俊三委員長)が任命する仕組み。その経営委員は首相が国会の同意を得て任命するため、NHK会長人事は常にその時の政権の意向が強く影響を与えるなどの批判が絶えない。

▽福地茂雄(元アサヒビール会長)
▽松本正之(元JR東海副会長)
▽籾井勝人(元三井物産副社長)
▽上田良一(元三菱商事副社長)

の4氏に続き、みずほフィナンシャルグループ会長だった前田会長まで06年以降の5人の会長は全員が財界出身。その起用には安倍政権の露骨な関与が目立っている。葛西敬之・JR東海名誉会長(今年5月死去)が中心となった、安倍氏を囲む経済人の集まりだった「四季の会」のメンバーが選任に関わったり、メンバーを会長に起用したりしてきたからだった。前田会長自身も「四季の会」のメンバーで、こうした批判を意識したのか、19年12月に就任を前にした記者会見では「どこかの政権とべったりということはまったくないし、その気もない」と言い切っていた。 

■「政治」関与の会長人事

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