シフト勤務医の労働時間 医療法人社団新拓会事件(令和3・12・21東京地裁判決)

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■勤務時間固定の合意があったか 勤務時間削減の合意を否定

登録制で医師を派遣する被告が、医師の数を大幅に増やしたことで、それまでに登録していた医師の勤務日と労働時間が大幅に削減され、収入も減収したことから、訴えられた事件。勤務日も勤務時間は固定されていたとして、削減はやむを得ないものではない、と判示し、被告が敗訴しています。

■判決のポイント

原告である大学の勤務医とアルバイトの雇用契約を締結していた被告(ファストドクター)が、登録している医師が増加したことで、原告の勤務日と労働時間を大幅に削減。原告は一方的に労働条件を切り下げた、と主張しました。1カ月毎のシフト制の雇用契約を締結していたことから、原告との間で固定の勤務日および勤務時間について合意していないと主張しましたが、判決は、この主張を採用しませんでした。

勤務日と勤務時間の削減についても、「雇用契約において、固定した勤務日及び勤務時間について合意していたのであるから、原告に割り当てる固定した勤務日及び勤務時間を除いてシフトを組めば良い」のであり、勤務日や勤務時間の削減がやむを得ないとはいえない、と述べています。

原告が登録した時点では医師が50名で、シフトを埋めることに努力を要する状態であったところ、登録する医師が200名に増加したので、原告の固定する勤務日や勤務時間が業務の支障になったと推認。大幅にシフトを埋めていた原告の勤務日や勤務時間を一方的に切り下げたものと認められる、としました。

■判決の要旨 原告は固定の勤務日に合意 削減にも同意していないので

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