電通グループは11日、婚姻の平等(同性婚の法制化)に賛同する企業を可視化するキャンペーン「Business for Marriage Equality(BME)」に賛同したと発表した。同社は「国内グループ各社で働く全ての従業員のエクイティ(公平性、公正性)を改めて考える機会」と指摘。自治体が独自に発行する「パートナーシップ証明書」に対応する人事制度や福利厚生サービスのさらなる制度拡充を進める。
性的マイノリティ(LGBT)に関する法制度については2021年、五輪開催を契機にLGBT理解増進法制定の機運が高まり、5月には超党派議員連盟で与野党合意に達したものの、与党議員の反対などにより国会提出が見送られている。
一方、地方自治体では2015年の東京都渋谷区を皮切りに、全国でパートナーシップ制度が進み、導入自治体は2022年7月1日時点で224自治体(渋谷区・認定NPO法人虹色ダイバーシティ 全国パートナーシップ制度共同調査)。今年11月からは東京都も「パートナーシップ宣誓制度」を始める。
BMEには10月5日現在で283の企業が賛同を表明。LGBTに関する法制度が整わない状況のなか、各自治体のパートナーシップ制度に対応して社内の福利厚生の適用を拡大するなど、法整備を見越した企業側の取り組みがさらに活発化しそうだ。