【新刊紹介】『SDGsの大嘘』池田清彦 著

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『SDGSの大嘘』池田清彦 著/宝島社/新書版192頁/2022年5月/990円(税込)

SDGsとは、国連サミットで採択された国際目標であり、持続可能な開発目標として構成された造語だ。このブームの胡散臭さを問題視する、生物学者で大学の名誉教授を務める著者からの、文字通りの警告本である。

17の目標は、異論を挟む余地のない素晴らしい美辞麗句ばかりだと断り、人口問題に言及していない点を指摘する。世界人口はこの百年で4倍以上に膨れ上がり、7つの目標を徹底すれば人類は地獄に直行すると言明する。

出来上がったシステムや法律を覆せぬ、日本人の国民性を著者は嘆く。

古くはらい予防法、直近のコロナ対策など、殊にダイオキシン騒動の顛末は目から鱗が落ちる思いだ。