非常勤講師の無期転換権 学校法人専修大学(無期転換)事件(令和3・12・16東京地裁判決)

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■研究者に該当せず無期転換認める 教育や試験を担当しているので

労契法18条の無期転換ルールは、研究者については10年を超えるまで発生しない特例が設けられています。本件は大学の語学を担当する非常勤講師は研究者ではないと判断。教育のみを行うので特例は適用されず、通算契約期間が5年を超えた時点で無期転換ルールが適用されると判断しています。

■判決のポイント

大学で語学を担当する非常勤講師である原告の無期転換権が認められたのは、「研究者」ではないと判断されたからです。

大学の非常勤講師は通算期間が5年を超えても無期転換権が発生しないものとして扱われていることが少なくなく、その根幹にあるのが「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法」15条の2第1号です。同号に該当するので、契約期間が10年を超えるまで無期転換申込は発生しないとするもので、同法は、人文科学も科学技術に該当するとしており、原告も、文学に関する研究実績を踏まえて採用された経緯があり、そのことから大学は「研究者」であると主張しました。

しかし、判決は非常勤講師の業務内容は語学の授業、試験と関連業務のみであって、研究業務に従事していないと認定。大学講師の研究と職務は一体であり、研究業績に裏打ちされた見識に基づき職務が遂行されているとしても、大学で研究に従事していると認めることはできない、と指摘しました。

有期雇用契約の契約期間満了日の翌日を始期とする期間の定めのない労働契約が成立した、と判断しています。

■判決の要旨 イノベ活性法の趣旨に反する 教育のみ担当しているので

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