社長及び取締役の責務と少ない報酬(役員報酬の適正分配率 第1回)

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【新連載】役員報酬の適正分配率 業績連動式賞与制で年収倍増を 著者:窪田千貫

1 四六時中、不眠不休で働く社長の仕事

一般的な大衆の立場からみたイメージとして、会社の代表取締役社長といえば、高給取りで沢山の資産を所有し、頭脳明晰な偉い人であり、社会にも貢献している人であるから、尊敬に値する人物だと思われており、まさに「羨望の的」としての存在であろう。

しかし、こうした反面、現実は、社長とは会社を代表する最高責任者として、対外と対内的な諸々の全責任を背負うだけでなく、売上高の増大や、社内で発生する諸問題に対する改善、解消の意思決定、または株主総会や取締役員会の決議事項を実行して、業績を高め、より多くの利益を創出する責任と、雇用した全社員の生活費を保障する社会的責任を負う立場にあり、これから逃れることはできず、人知れず心身ともに苦痛を感じているのが、大方の実情であろう。

したがって、優秀なスタッフを多数抱えている大企業の場合と違って、中小企業のオーナー社長は、四六時中不眠不休で考えながら悩み続けているものだが、この精神的、肉体的な緊張感によるストレスは、想像を超えるものである。

それに加えて、もしも会社運営の舵取りを間違えて失敗したり、赤字決算の連続などで行き詰まれば、所有している自宅や、会社に対する貸付金などはゼロになるだけでなく、金融機関からの借入金に対する個人保証をした多額の借金が残るだけである。

しかし、一般社員たちは、指示された仕事をしていればよいもので、経営上の失敗責任はない。

このように社長および取締役は、次項で述べる様な法的責任を背負って、日々努力をしているのであるから、その対価として、相応の報酬を受取るのは当たりまえのことである。したがって、社長をはじめ全取締役と執行役員は、外聞や一般社員に関係なく、正々堂々と月例給与および業績賞与とを合せた年収を取るべきである。

その年収の目安としての最少基準は概算だが、 一般社員の平均年収の3倍以上でなければならない。その根拠は、3人分以上の社会的または法的責任を負っているからである。

2 社長および取締役が背負う法規上の責任

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