マスクライフが終わるか

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新・働く人の心と体の心理学 第47回 著者:深沢孝之

本連載で私は再三、マスク着用のリスクを説いてきました。もちろん私のちっぽけな声など誰も聞くはずはなく、政府とほとんどの日本人が、一日中マスクを着け続ける生活をしています。ただ、最近は日中の気温が高くなってきて、「そろそろマスクを外してもよいのではないか」という意見も表立って聞かれるようになりました。ニュース番組で、脳神経学者など識者の意見として、子どもがマスクを着け続けることへの脳の発達への悪影響が懸念されることが報じられるようになりました。やや風向きが変わったのか、「さんざんマスク着用を煽ってきた癖に何をいまさら」という気もしますが、報じないより報じた方がよいので、これを機によい方向に向かうことを願いたいものです。

私の住む地域でも、体育の授業や部活中はマスクを外してよいという教育委員会のお達しがあったようで、最近うかがった中学校では、部活中生徒たちは皆マスクを外して汗を流していました。とてもよい光景でした。ただ、授業中や会話をする時はマスクを着用すべしとなっており、校内では生徒も先生もマスクをきちんと着けています。そんなに着けたり外したりしていればマスクも汚れるだろうし、衛生的にも本当によいのか疑問もわきます。

先日カウンセリングで会った中学生の女子生徒が、給食後にたまたまマスクを着け忘れていたら、他の女子から「ふうん、素顔に自信があるんだね」と皮肉っぽく言われてビビった、と言っていました。「女子の人間関係は怖いねえ」という話になりましたが、長過ぎるマスクライフで素顔を隠すことがデフォルトになっていることが、子どもたちの対人関係に影響していることがうかがえます。

我々大人は、もちろん怖い人はマスクを着けていればよいですが、平気な人や疑問な人は、どんどん外して生活してほしいと思います。日本において感染対策は、あくまで任意であるということを忘れてはいけません。

■コロナワクチンのメンタルへの影響

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