業務改善プログラムと解雇 ノキアソリューションズ&ネットワークス事件(平成31・2・27東京地裁判決)

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■配置転換の必要性があった 労働者の達成状況も考慮し

PIP「業績改善プログラム」は、一定の労働者を対象に実施し、業務の改善が進まない場合に退職となるなど、外資系企業が能力不足を理由に解雇する際の手段として用いられ、判例も積み上がっています。本件は業務改善の実績があること、指導や配置転換を検討しないで行った解雇は無効と判断されています。

■事件のあらまし

外資系企業である被告と原告は平成23年に雇用契約を締結。908万円の年俸でプロジェクトマネージメントなどに従事していましたが、能力不足を理由に解雇されました。

同社は、平成27年に業績不振から人員削減を実施。原告に退職勧奨を行いましたが、原告は退職の意思のない旨を告げていました。

解雇の理由は業績の評価でしたが、判決では、業務改善プログラムの後に業績が改善した実績があること、プログラムの内容であるコスト削減業務が容易であったとは認め難いと指摘。原告の業務成績の不良を認めつつ、配置転換や、職務等級や役職の引き下げを行って、職務の難易度を下げたりすれば、成績が向上する可能性があったことを否定できない、ので解雇は無効と判断しました。

業績評価も2回は最低評価を免れていること、仮に最低評価であっても、重大な能力不足が推認されるわけではないこと、上司から肯定的な評価を受けたこともあり、被告の能力が「改善指導によって是正し難い程度にまで達しているとは認めることはできない」と述べています。

■判決文の要旨 業務成績は不良ではあるが 是正し難い程ではない

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