アレルギーあります 

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 私的な外食を控えて久しい。大学から不要不急な会食を禁止されているし、お酒をたしなまないこともあり、自粛生活をしていた。とはいえ、仕事の打ち合わせ等でどうしても飲食店を使わざるを得ないこともある。先日、先方も「お酒抜きのマスク会食で」とおっしゃるので、老舗ホテルの喫茶室で打ち合わせとなった。
 席に案内されると、うやうやしく、ギャルソンが「マスクケースでございます」とホテルのロゴが入ったケースを渡す。ご時世だと思いつつ、周囲の席を見回せば、満席のうえ、みなさん、マスクを外して大いに飲食しご歓談。いささか浦島太郎の気分。
 打ち合わせメンバーが揃って、飲み物と軽食をオーダーする段階で、ウエイトレスに「アレルギーはおありになりますか」と尋ねられる。正直に「あります」と言ってしまったから、さあ大変。責任者とおぼしきギャルソンが飛んできて、病院の問診票のようなアレルギー申告用紙に記入せよという。「除けて食べるから」といっても、ホテル側としては免責条項を含んだ申告用紙を提出せねば許さんという構え。私が「お茶だけで」といったら、一行全員がお茶だけになりそうな気配も感じ、用紙に記載をする。
 食物アレルギーは命にかかわることがあるとはじめて聴いたのは学生時代の恩師からだった。学生を引率して合宿に行った際に、学生が蕎麦アレルギーを発症して救急車を呼んだという。本人は自覚があり、うどんを注文したが、店側が蕎麦も同じ湯で茹でていたため、発症したらしい。いまは自分が引率する側でもあり、ヒヤッとするエピソードだ。
 インターネットのSNS上では、アレルギー食材除去メニューをオーダーしたのに、店側が誤って除去していないものを提供してしまい、救急車を呼んだというエピソードが紹介されていた。そこに、「救急車呼ぶほどのアレルギーがあるのなら、外食に来ないで欲しい。」という飲食店経営者側の見解も載って、ネット上は侃々諤々。
 国民の約二人に一人が何らかのアレルギー疾患を有している昨今、アレルギー疾患対策基本法が制定され、27年12月に施行されている。とくに食物アレルギーは、保育所や幼稚園、学校での給食でも,現場で大変な苦労があるときく。日本栄養士会では、特定分野認定制度「食物アレルギー栄養士(給食管理分野)」と「食物アレルギー管理栄養士」を始めている。
 皆様の職場で、社員食堂や仕出し弁当のメニューに、アレルギー食材の表示をされているだろうか。

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