■更新上限の同意を認める 原告は内容を十分認識していた
更新上限の同意が焦点となった事件。日本通運で有期雇用契約で働いていた男性が、無期契約への転換を希望できる日の直前に雇用を打ち切られたのは不当だと訴えましたが、契約では不更新条項が付されており、「契約は更新限度が5年と明確に定められ、原告も内容を十分認識していた」として、訴えを棄却しました。
■事件のあらまし
男性は平成24年9月から派遣社員として勤務した後、契約期間が通算5年超になると無期契約への転換を希望できる制度が導入された後の平成25年に、1年間の契約社員として日通に直接雇用されました。以後平成30年まで4回の契約更新を重ね、契約を打ち切られたため、「ルール逃れ」を主張しました。
争点は、雇用契約書にあった「5年を更新上限とする」との契約を自由意思で締結したかどうかです。
契約期間が通算5年を超え労働者が無期雇用への転換を希望したら拒めないため、5年超になる直前で雇い止めにする企業があり、本件もその対応が争われています。
雇用契約書に「更新上限があることが明確に示され、原告もそれを認識の上雇用契約を締結しており、その後も更新にかかる条件には限度が平成30年6月30日までの5年」と明記されていると指摘。その証拠として、更新上限があることが明確に示された後も更新が重ねられていること、業務が恒常的ではないこと、無期転換した他の社員とは事情が異なることが指摘されています。説明を求めた証拠がないことも指摘されています。
■判決文の要旨 5年を更新上限と明記 内容確認して署名している
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