■安全配慮義務違反とまでは 労働者が積極的に兼業をしていた
セルフの給油所で夜間勤務をしていた労働者が、同じ給油所で業務を営むA社において兼業した結果、連続勤務や長時間労働に。判決では、長時間労働は労働者の「積極的な選択の結果生じたもの」として、会社の責任を認めませんでした。兼業を辞めるよう確約させたこと等、会社の介入が評価されています。
■事件のあらまし
原告は、平成25年に派遣先である大器が営む店舗に派遣され、セルフ方式の給油所の夜間運営業務に従事するようになりました。平成26年2月に同じ給油所にあるA社との間で労働契約を締結。大器での就労に加えて、週に1、2日深夜早朝時間に勤務するようになりました。労働時間は1カ月270時間になる月が連続し、問題のある状態が続いたことを本判決も認めています。
大器のエリアマネージャーは、「原告の労働日数と労働時間を認識し、あるいは認識し得る立場にあり、また、会社は兼業先である会社との労働契約に基づく原告の労働日数及び労働時間についてある程度を把握できる状況にあったことがうかがわれる」が、連続かつ長時間労働の発生は、原告の積極的な選択の結果生じたものと判断。原告は労働基準法32条及び35条の趣旨を自ら積極的に損なう行動をとっていたものといえること、労働契約関係に直接介入できる地位にないこと、担当業務の労働密度が低いことを踏まえ、安全配慮義務違反とまでは認められないと判断しました。労働者が会社のアドバイスを無視していたことが証拠となっています。
■判決文の要旨 労基法に抵触すると伝え 休んで欲しいと注意もし
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