降格するほどの理由がない 広島精研工業事件(令和3・8・20広島地裁判決)

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■残業不許可に安全配慮義務違反も

会社が主張する降格の理由は認められず、人事権の濫用と判断しました。降格という不利益を与えたことに加えて残業を許可しなかったこと、4カ月半にわたり仕事を与えなかったこと、厳しい叱責などで自宅療養を余儀なくさせたことに対して安全配慮義務違反が認められ、労働者への慰謝料支払いが命じられています。

■判決のポイント

被告となった広島精研工業は、自動車部品のプレス加工、溶接加工などを事業内容とする会社です。原告は、平成22年1月1日付けで、課長職(製造3課長)から平社員に降格しました。

判決は、人事権の行使は基本的に会社の経営上の裁量判断に属するとしながらも、無制限に認められるものではなく、権利の濫用に当たるときは、無効であるとしています。

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