トラック騒音から住民の静けさ守る

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■宮下浩司さん(IT・デザイン会社経営) おんな流 おとこ流~仕事を訪ねて~(47)

運送会社のあった敷地を指す宮下さん。「騒音排出企業 入居反対」の横断幕がベランダにかかる。

自宅と隣接する運送会社営業所の騒音や嫌がらせに10年来苦しめられ、うつ病を患いながらも、近隣の住民と共に裁判を闘い、夜間の騒音差し止めや営業所の移転、会社の責任を認める判決を勝ち取った人がいる。岐阜県瑞穂市でIT・デザインの会社を経営する宮下浩司さん(38)だ。(井澤 宏明)

京都の大学を卒業し、製薬会社に勤めていた宮下さんが名古屋市の出版・編集プロダクションに転職し、瑞穂市の実家に戻ってきたのは2010年3月。仕事が深夜に及び週2、3日は泊まり込むような生活だったが、帰宅すると運送会社の騒音が気になり眠れない。

深夜に高圧洗浄機を使った洗車が立て続けに行われる。1台に10分から30分、多いときには6台に及ぶことも。地面は舗装されていないので、トラックが出入りするたび砂利を踏みしめる音が響き、ホコリも立つ。保冷車のエンジン音でテレビの音も聞こえない。エアブレーキの「プシュー」という音で、ビクッと目が覚める。荷物を積んだパレットをフォークリフトで降ろす際に「パーン」と衝撃音が響く。食品を運送しているため、年中無休、24時間体制だ。

両親がこの土地に引っ越してきたのは1977年。岐阜市と大垣市を結ぶ国道21号線「岐大バイパス」から北に道路1本入っただけだが、意外なほど静かだ。南側に隣接する土地は当時、パチンコ店の駐車場。その後、運送会社の営業所兼駐車場として使われたこともあったが、音が気になることはなかった。運送会社「小島商事」(本社・同県各務原市)の営業所が移転してきたのは2002年6月ごろだった。

「騒音がひどいので何とかしてほしい」。宮下さんは11年ごろから、瑞穂市役所に相談を繰り返した。親身になって応じてくれた職員が営業所を訪ね、「午後9時以降の洗車を止める」と約束を取り付けてくれたこともあったが、すぐに破られてしまった。

■騒音規制法に限界

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