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■「同一労働同一賃金」 の賃金改革 厚労省ガイドラインに適応した新しいビジネスモデル(DKモデル®)構築 第6回 著者:赤津雅彦(あかつ まさひこ)

14「同一労働」は、社内職務の把握から

「同一労働同一賃金」 を実現するために、軽視されがちなのは自社内にある、社員が担当する「職務」の実態です。〇〇さんはこの仕事、△△さんは、この仕事という具合に、「人」を基準とした分類はできていても、社内にどのような職務があるか、あるいは必要なのか、「職務」を基準とした分類が明確ではありません。一度このことについて経営者の方はご自分に質問してみてください。すぐに答えられない経営者のいる企業は、「同一労働同一賃金」とはほど遠い場合が多いのです。

このことは必ずしもその経営者が不勉強だ、ということではありません。日本は、戦後長い間「職能資格制度」が普及しました。職務を遂行するために必要な保有能力(顕在化した能力に限定しない)を基準とした制度は、かつての完璧な年齢基準の給与制度としての年功給からの脱却には、少なからず貢献しました。なぜなら、「職能」は「職務」遂行能力のことだからです。ただ、年齢や性差等の属人的な要素から脱したつもりでいた経営者も、実際には社員の保有能力(正確には「顕在能力」) の測定に失敗し、年功的「職能資格制度」になっているケースが多く見られるのです。その証拠に、こうした不備に気がついた経営者は、年功給から脱皮するために、いち早く『階層型』の範囲職務給を導入して、平成の時代にすでに、新しい賃金制度を導入しています。 往々にして、社歴の長い製造業にこの年功偏重の現象が残っています。ちなみに、未だに年功給を温存できている企業は、年功が「賃金決定のモノサシ」として社員にも、また社会的にも納得され得る、かなり限定的な企業や組織なのです。

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