プレカリアートユニオンはこのほど、勤務先で性的指向・性自認に関わるハラスメント「SOGIハラ」を受けたトランス女性が、6月30日付けで労災認定されたことを明らかにした。SOGIハラで発症した精神疾患が、労災認定されるのは極めて珍しい。
被災者は、性同一性障害の診断を受けて女性として生活していたが、勤務先の会社から性自認に関する侮辱的な言動を執拗に受けたほか、理不尽な配置転換を命じられた。特に直属の上司は、頑なに「彼」と呼んだり、君付けで呼ぶなど性自認を否定する言動を繰り返し、被災者はうつ病を発病して休職を余儀なくされた。
2021年9月に被災者は、業務の目的を明らかに逸脱するとして労災を申請。労働基準監督署は「上司等から身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」と認め、その心理的負荷の強度は「強」に当たるとして、当該事案を業務上と判断している。