給与のデジタル払いの解禁が、現実味を帯びている。制度化を担う労働政策審議会労働条件分科会で、公労使各側委員が準備を進めることでおおむね合意。資金保全スキームを不安視していた労側が、安全性に一定の評価を与えたことで、来年4月にも開始する見通しが立った。
具体的には、労働基準法24条の賃金の通貨払いの原則の例外として、「資金移動業者の口座」を位置づける。例外を規定する労働基準法施行規則7条の2に、銀行口座への振込、満たす証券総合口座への払込と並べて列挙することで、使用者が同意を得た労働者の賃金のうちの定額をキャッシュレス決済口座に振り込むことが可能になる。
賃金の支払が認められる資金移動業者は、厚生労働大臣の指定を受けたものに限る。資金保全のスキームとして、「破産時の速やかな債務の保証」「責めに帰すべき理由がない債務の損失の補償」を求めるほか、「現金自動支払機(ATM)での1円単位の受取と月最低1回の手数料負担のない受取」を可能とすること、「賃金支払に関する業務・財務状況を大臣へ報告する体制」「業務を適正・確実に行う技術的能力と社会的信用」を有すことを要件に課す。
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