コロナ疑いで宿泊拒否 旅館業法改正の方向性 差別防止へ従業員研修促す

38

厚生労働省はこのほど、旅館業法の見直し検討会がまとめた制度改正の方向性を公表した。今秋に招集予定の臨時国会に旅館業法改正案を提出し、2023年内の施行を視野に早期成立を目指す。

法改正の柱として、従業員や利用客の安心・安全を確保するため、パンデミックの際に限定して新型コロナウイルスの感染が疑われる客の宿泊拒否を可能とすることを提案。新型コロナを含め、発熱などを伴う感染症の症状を呈する者に対し、直ちに宿泊拒否ができるようにはしないが、「医療機関の受診」「関連機関との連絡・相談」のほか、マスクの着用といった「厚労省が定める滞在中の感染対策」を旅館業の営業者から要請できるようにした上で、正当な理由なしに応じない場合に宿泊拒否ができるなどと方向性を整理した。

また感染状況に関係なく、迷惑客への対応も強化する。「旅館・ホテルの合理的な負担の範囲を超える利用」などの過重な負担で、対応困難なものを繰り返し要求された場合に、宿泊拒否ができると示唆。いわゆるモンスタークレーマーを想定しており、具体的な判断基準は新たに策定する指針などで明確にする。

過去にハンセン病元患者やHIV感染者を宿泊拒否する事案が発生したことを踏まえて、差別防止の取組も徹底する。旅館業の営業者に「従業員の研修」の努力義務を課し、宿泊を必要とする者が不当な差別を受けることがないような人権問題研修などの実施を促す。

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

既存ユーザのログイン

fifteen + 10 =