多様化する労働契約のルールに関する検討会は3月17日、厚生労働省が示した報告書案をおおむね了承した。使用者による労働者各人への無期転換申込みの機会の通知を義務化するほか、多様な正社員を含む全労働者に対する労働条件の明示事項に、就業場所・業務の変更の範囲を追加することなどを提案。労働政策審議会労働条件分科会に検討結果を報告し、必要に応じて労働契約法など関係法令の改正の審議に着手する方針だ。
■通算5年超は維持へ
労働契約法の前回改正の検討規定や規制改革実施計画の要請に基づき、検討会は昨年3月から13回にわたり議論。実態調査やヒアリングで把握した課題に沿って、労契法18条に基づく無期転換ルールの見直しと、多様な正社員の労働契約関係の明確化に向けた具体策の方向性を整理している。
無期転換ルールについては、現時点で根幹から見直す問題が生じていないと強調。5年超の通算契約期間や、6カ月のクーリング期間など大枠を維持した上で、労使双方が情報共有を進め、希望者が確実に制度を活用できるように改善を図る必要があると訴えた。
具体的にまず、要件を満たす個々の労働者に対する「無期転換申込みの機会」と「無期転換後の労働条件」の通知を、使用者の義務にすべきと提案。通知のタイミングは「無期転換申込権が発生する契約更新時ごと」とし、通知内容の無期転換申込機会と無期転換後の労働条件については、労働基準法15条に基づく労働条件明示事項に追加するよう求めている。
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