雇調金不正受給を厳格化 捜査機関と連携強化

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不正のペナルティ周知徹底

厚生労働省はこのほど、4月から6月までの雇用調整助成金や休業支援金などの内容について、3月の水準を維持する方針を公表した。手厚い措置で引き続き雇用を支える一方で、捜査機関と連携強化するなど雇調金の不正受給対応の厳格化を示唆。抑止力を向上させるため不正発覚後のペナルティなどの周知を徹底するほか、労働者からの通報事案を優先的に調査することも明らかにしている。

労働政策審議会の職業安定分科会と雇用保険部会を合同開催し、雇調金などの3月の水準を6月まで維持する方針を確認(図)。後日開催する審議会で省令改正の手続を踏み、正式に決定する。

この日の審議では、厚労省が雇調金などの不正受給対策について報告した。2020年9月から21年12月末までに261件、総額約32.3億円の不正受給を把握。都道府県労働局での専属チームの編成など昨年から対策を講じているが、さらなる対応強化が求められていると訴えた。

対応の方向性として、「抑止力アップ・情報収集」「調査・体制強化」「捜査機関との連携強化」の3つを柱立て。積極的・効果的な調査の実施に加えて、不正受給が発覚した後のペナルティなどの周知を徹底する方針を示している。

調査に関しては引き続き、労働局が事前予告なしに申請事業所を訪問して休業の実態を確認。必要に応じて雇用保険法79条の立入検査を実施し、出勤簿や賃金台帳などを調べるほか、関係者への質問も行う。仮に検査を拒んだり、偽りの陳述をすれば「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられる。

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